ピアノだけのシンプルな舞台セットのため、ピアノが際立つ
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山陽レディース倶楽部「きらり」の会員特典で参加できる、第104回くらしきコンサート「内田光子ピアノ・リサイタル」が11月4日、倉敷市本町の倉敷市民会館で、約1500人を集めて開かれました。
今回は日本人初、2度のグラミー賞受賞という快挙を成し遂げた世界的ピアニスト内田光子さんによるピアノ・リサイタル。1995年以来、実に23年ぶりとなる倉敷公演は、自身のピアノを持ち込み、現在最も情熱を傾けているシューベルトの曲から選び抜かれた「ピアノ・ソナタ 第4番イ短調D537」で幕を開けました。
まずは短調でありながら、あっさりとした心地の良い音色で観客の心をつかみ、次に「ピアノソナタ第15番ハ長調D840」を情感たっぷりに奏でることで、薄命に終わったシューベルトのはかなげでもろくも透明感あふれる旋律を表現しました。
休憩明けは、「ピアノ・ソナタ 第21番変口長調D960」を演奏。内田さんらしい哲学的な解釈と繊細かつ大胆なテクニックによって、1音1音が重みのある美しい音色となり、息つく暇もありません。
アンコールは、「シェーンベルク6つの小品o.p19」より第2曲を披露。スタッカートの8分音による特徴的な曲を弾き終え、晴れやかな笑顔を見せた内田さんには、会場から割れんばかりの大きな拍手と歓声が送られました。